「家は一生もの」という考え方は、すでに少数派。
気に入った家でも、築年数の経過や周辺環境の変化などがあれば、「そろそろ次に…」と考えることが普通になりつつあります。今回登場する、藤田洋一さん(仮名)も、そんな一人。
「働いている時は、家は寝るだけの場所。しかしリタイアすると、いろいろな問題に気づくようになり、住み替えを意識するようになりました」
丁度、近くに理想的なマンションが建つことになったので、藤田さんは買い替えを決意。
以前から縁のあった不動産会社に依頼することで、スピード売却も実現しました。
「私としては、残債が残らなければOK。多少高く売ることよりも、スピード重視。売れるかどうかヤキモキしたくなかったので、このスピード感には満足しています」
いまは新居で快適な生活を手に入れたと言いますが、その軌跡を追ってみましょう。
藤田洋一さん マンション売却ストーリー
【藤田洋一さん プロフィール】
東京都内在住の70代男性。妻と2人暮らし。現在はリタイア生活。
2004年6月港区に新築マンションを自宅用として購入。
その後、2016年2月に売却し現在は近くの新築マンションで新たな生活を送っている。
周辺環境の良さに惹かれて新築マンションを購入
――2004年港区に新築マンションを購入したとお聞きしていますが、これは自宅用でしょうか?
藤田:そうですね。これまでの住まいを遡りますと…、最初は1980年代、郊外に戸建てを買いました。
ところが通勤がけっこう大変で、90年代に入り会社に近い目黒区に新築マンションを購入。
駅から近く便利でしたが、その分やや騒々しいのが難点でした。
そんな折、散歩コースにしていた緑が多い住宅地でマンションの建築が始まっているのをみつけたのです。
そこは都内の一等地のひとつ。すでにマンションや住宅が立ち並んでいるので新築マンションができるとは思ってもいませんでした。興味をもって眺めていると、たまたまマンションの営業マンがいてショールームも近くにあると言うので、妻と見に行くことに。
すると、ローンが通らずにキャンセルになった部屋があるというではないですか。
私たちの希望は「南向き」「2LDKくらいの間取り」でしたが、まさにその通りの部屋でした。
5階建て37世帯で2階部分の74㎡、最寄駅からも徒歩6分の距離で条件としては申し分ありません。
8000万円で買いました。それが、2004年6月のことです。
――目黒区のマンションは売却したのでしょうか?
藤田:立地が良かったので賃貸に回しました。入居者には困らず家賃は月20万、最終的には少し下がって18万円。
ただし、人が入れ替わるたびに屋内のリフォームやケアが必要なのが面倒になり、5年前には手放して残債を整理しました。
当時の市況も関係したのか、買値から1000万円近く下げて売ったので損益はトントンだったと思います。
ちなみに、最初に買った戸建ても目黒に引っ越す際に貸し出しました。こちらは、5年ほど前に売っています。
売却が得意な人気不動産店舗をご紹介 生活環境の変化に伴い住み心地に問題が…
――港区の一等地に買った新築マンション。理想的なマンションだったのに、2016年2月には売却しています。経緯を教えてください。
藤田:購入当時は私も現役で働いていたので、自宅と会社を往復するだけの日々。
新しいマンションは快適で、周辺には緑もあり、騒音とも無縁。
水回りなど屋内設備も最新で何の不満もありませんでした。
ところが仕事を辞めて家にいる時間が長くなると、色んなことに気づくように…。
マンションにはファミリー層も多く、朝は保育所を嫌がり泣き叫ぶ子供の声が廊下に響き、午後は走って帰ってくる小学生の足音…。共用部の音が室内にも響いてくることがわかりました。
もちろん、子どもが元気なのは良いことですが毎日のこととなると正直なところキツくて…(苦笑)。
また、バルコニーから道路を隔てた向かいの老朽化したマンションには、高齢者が多いのでしょうか。
月に何度も救急車がやってくる。サイレンの音や灯りが気になってしょうがない。
専業主婦で家にいた妻にとっては日常茶飯事なのでしょうが、私は面食らいました。
そんな頃、またしても近所に新築マンションが建つことがわかったのです。
当初はさして関心はありませんでしたが、形が出来上がってくるにつれてそのスタイリッシュさに魅了され、だんだん欲しくなってしまいました(笑)。
いずれにしろ、マンションの築年数も10年を超え、騒音をきっかけに「他にも良いところがあれば…」という気持ちが芽生えていました。
ところが、妻は反対。すっかり家に馴染んでいたし、体力的にもきついというわけです。
そこをなんとか説得して、まずは家の売却から検討を始めました。たしか2015年の冬だったと思います。
――どういう流れで売却を進めたのでしょうか。
藤田:最初は大手不動産のA社に査定をお願いしました。査定額は9000万円~1億2000万円。
売れなければ、毎月売値を下げていきます。半年たっても売れない場合は8000万円弱でその会社が買い取るといった内容でした。
実は、私は不動産投資にも関心があり、収益物件を探そうと少し前に品川区の不動産会社の営業マンと話をする機会がありました。
その時、港区のマンションの話をたまたましたところ、「9000万円~うまくいけば1億円で売れるかもしれません」という答えが帰ってきました。そうすると、A社の1億2000万円は、やや話を盛っていることになります。
1億2000万円で売れればありがたいのですが、単に売り物件を集めるための客寄せ価格なのかもしれません。
一方で半年たっても売れなければ8000万円弱で売却しなければならない。そんなリスクを背負うべきか…。
任せるべきか悩んでいたところ、やはり以前から付き合いのあった目黒区の地場系不動産会社B社の営業マンから、
「掘り出し物があります」と連絡があったのです。
「自宅を売却して新築に引っ越すから、いまは必要ないです」とA社に頼んだ旨を伝えて断ると、
「うちも扱いたい。うちにも買い取り制度はあるので、ご自宅を見せてください」ということに…。
内見当日、営業マンは上司と役員を連れてきて、屋内外をチェックしました。
出た査定額は、9000万~1億円ほど。品川区の不動産会社と同じ内容でした。
私としては、1億円以上という価格は信用していませんでした。
「9000万円で売れればいいか」というのが本音です。
売却が得意な人気不動産店舗をご紹介 ところが、そもそも引っ越しに反対の妻は、その場で「9500万円じゃないと売りません」と言うじゃありませんか(苦笑)。
「え~っ!」と思ったのですが、なんと担当者はその場で買い取ると即答。
ならば、断る理由はありません。その価格で売却は決まり、2016年2月に引き渡し、新居に引っ越しました。
ここは、5階建て32世帯のマンションで、私たちの部屋は最上階。
前と同じく眺望は良く、いまのところ生活音など騒音に悩まされることもありません。
最寄り駅にも少しだけ近くなり、とても満足のいく生活を送っています。
――今回の売却ですが、感想はいかがでしょうか。
藤田:戸建てや目黒のマンションを含め、自宅の売却は初めてではありませんでしたが、不動産会社によって査定は随分と異なります。最初に打診したA社に丸投げするのではなく、他の情報も参考に考え直しB社に相談、再検討して良かったと思います。
また、このタイミングで売却できたのも幸運だと思います。
東京五輪が終われば、都内の地価もどうなるかわかりません。同じ23区内でも格差は生まれるでしょう。
あくまでも私見ですが、駅から徒歩10分以内、近隣に緑があり高級ホテルや大使館があるようなエリアは人気を維持できると思いますが、そうでない所はマンション価格も下がっていくのではないでしょうか。
アドバイザーが売却の得意な不動産会社をご紹介――IESHILには新居に移った以降、2016年9月にご登録いただいています。
藤田:買う・買わないではなく、家自体に興味があり、「この辺りの環境で、こんな所に住めたら…」と思い描くのが好きなもので、色んな情報は得たいと常々考えています。
そこで色々調べていたら、IESHILは部屋ごとの新築時の売り出し価格や参考査定価格など、幅広く価格情報が載っていると知り登録しました。
当面はいまの家に住むと思いますが、しばらくすれば新築が恋しくなるかもしれません。
年齢を重ねていけば駅に直結していたり、買い物が便利なマンションの方が便利です。
実際いくつかの候補地域はあるので、近いうちに使わせていただくかもしれませんね(笑)。
――ぜひご利用いただき、新たな事例ができましたらまたご紹介ください。本日はありがとうございました。取材を終えて
売却を任せる不動産会社を再考することで、買値より1500万円以上UPの価格で売れた藤田さん。
会社選びが成否を握るということが如実にわかったエピソードでした。
IESHILでは、売却実績が豊富な会社を紹介したり、不動産アドバイザーサービスも行っています。
ご活用いただき、皆さんの不動産売却を有利に進めていただけると幸いです。
売却の得意な人気不動産店舗をご紹介アドバイザーが売却の得意な不動産会社をご紹介