マンションを売却するにあたり、「なるべく高く売りたい」「スムーズに売却したい」と考えている方は多いでしょう。一般的にマンションの売却は人生で何度も経験するものではないため、失敗したくないと感じることは当然です。
マンションの売却にはいくつかの段階があり、それぞれの段階ごとに注意しておきたいポイントがあります。注意点を一つ一つ押さえながら進めていくことで、スムーズかつ納得のいく価格で売却することができるでしょう。
この記事ではマンションを売却する際に押さえておきたい注意点や失敗事例を紹介するので、マンションの売却を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マンションの売却を成功させるには、売却活動の流れを把握し、見通しを持った上で進めていくことが大切です。
まずはマンション売却の一般的な流れを紹介します。
マンション売却はやるべきことがたくさんあって大変そうに感じるかもしれませんが、全ての項目を一気に行う必要はありません。
一つずつ順を追って進めていくので、それぞれの段階ごとの注意点を押さえながら後悔のないマンションの売却を行いましょう。
ここからは「売却前」「売却中」「売却後」の3つの段階ごとの注意点を紹介します。
ご自身のタイミングに合わせてご覧いただき、参考にしてみてください。
マンションの売却で最も重要なのが売却前の事前準備です。
資金計画や相場のリサーチ、不動産会社選びなど事前準備を入念に行うことが、納得のいく売却に繋がるでしょう。
売却前の準備段階で必ず押さえておきたい注意点を紹介します。
マンションの売却には約3ヵ月〜半年ほどかかることが一般的です。
そのため時間に余裕を持って売るために、売却までにかかる期間を考慮した上で準備を始めることが大切です。
毎年2~3月には新生活に向けて新居を探す方が増えるため、中古マンション市場が活発になります。「なるべくスムーズに売却したい」「できるだけ高く売りたい」と考えている方はこの時期を狙って売り出すと良いかもしれません。
マンションの売却には不動産会社への仲介手数料や税金など様々な費用がかかります。
売却後の手取り額は、売却代金からかかった費用を引いた分になるということを押さえておきましょう。
売却にかかる費用をまとめました。
費用 | 金額の目安 |
仲介手数料 |
(売却価格(税抜)×3%+6万円)+消費税 |
住宅ローンの一括返済手数料 |
1万~3万円程度(金融機関によって異なる) |
登記費用 |
5000~4万円(司法書士への手数料含) |
印紙税 |
5000~3万円程度(売却価格によって異なる) |
所得税 |
保有期間が5年以下:譲渡所得の30% 保有期間が5年超 :譲渡所得の15% |
住民税 |
保有期間が5年以下:譲渡所得の9% 保有期間が5年超 :譲渡所得の5% |
復興特別所得税 |
保有期間が5年以下:譲渡所得の0.63% 保有期間が5年超:譲渡所得の0.315% |
その他費用 (引っ越し、ハウスクリーニング等) |
数万円~数十万程度(内容によって異なる) |
マンションの売却に必要な書類は、探す手間や取り寄せる時間を考慮した上で早めに準備しておくことが大切です。
マンションの売却に必要な書類をまとめました。
種類 | 用意する人 | 取得方法 | 必要となる場面 |
身分証明書 |
売主 |
市役所等 |
媒介契約時・売買契約時・引き渡し時 |
登記済権利証、または登記識別情報 |
売主または 仲介業者 |
売主が保有 |
媒介契約時・売買契約時・引き渡し時 |
印鑑証明書および実印 |
売主 |
市役所 |
売買契約時・引き渡し時 |
固定資産税納税通知書および 固定資産税評価証明書 |
売主 |
市役所 |
売買契約時・引き渡し時 |
マンションの管理規約 |
売主または 仲介業者 |
管理会社 |
売買契約時 |
マンションの重要事項調査報告書 |
売主または 仲介業者 |
管理会社 |
売買契約時 |
銀行口座書類 |
売主 |
金融機関 |
引き渡し時 |
不動産会社へ査定依頼をする前に、売却を考えているマンションの相場価格を調べておくことも大切です。相場価格を知っておくことで、不動産会社が提示した査定額が適正なものなのかを見極めることができるでしょう。
イエシルではマンション名を入力するだけで部屋ごとの参考相場価格をすぐに知ることが可能です。さらに個別事情を考慮した詳しい査定額を知りたい方は、イエシル査定サービスのご利用をおすすめします。イエシル査定サービスとは、専属のイエシルアドバイザーが価格を個別で算出し、売買に関する相談もできる無料サービスです。
イエシルアドバイザーは不動産仲介経験10年以上のプロ。リフォームの有無等の個別事情を考慮した上で、実際に売れるであろう妥当な価格を提示します。
売却前に、実際の売却時の成約予想価格として妥当な価格を知っておくと安心です。
査定依頼は必ず複数の不動産会社に依頼しましょう。
一社のみでは提示された査定額が適正なのかどうか判断できません。
査定額が相場より低すぎると損をしてしまいますし、反対に高すぎてもなかなか売れず売却が長引いてしまいます。
査定額を見比べるには3~5社に査定を依頼しておくと安心でしょう。
先述のイエシル査定サービスをご依頼いただくと、所有マンションのエリアに強い不動産会社などをご紹介することも可能です。アドバイザーが取りまとめる形で一度に複数の不動産会社に査定を依頼できるので、手間もかからずおすすめです。
売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際には以下の点に注意しましょう。
査定額と実際に売れる価格は別物です。
いくら高い査定額を提示されても、なぜその金額になるのか根拠がなければ、売り出したところでなかなか売れず、結局は値下げせざるを得ない状況になってしまうかもしれません。
売却活動は不動産会社の担当者と連携して進めていくため、担当者との相性は非常に重要です。こちらの質問に親身になって答えてくれるかどうか、十分な知識が備わっているかどうかなどを基準に判断しましょう。
また、悪質な不動産会社による、物件を他社に紹介せず自社のみで売却も購入も成立させようとする囲い込みにも注意が必要です。他社に紹介しないことで売却活動が長引きますし、その結果不当に値下げせざるを得なくなる可能性もあります。
しかし、囲い込みはいくら注意しても一人ではなかなか防ぎにくいのは事実です。
だからこそ、不動産会社選びの際はイエシルの「イエシル査定・オンライン面談」で利用できる不動産会社紹介サービスをおすすめします。
イエシルが厳選した売却実績豊富な営業担当者を紹介してくれるのはもちろん、面談後も売却の成約成立までアドバイザーがお客様をサポートするので、アドバイザーの存在が抑止力となり囲い込みのような悪習慣に巻き込まれるリスクが低い特徴があります。
万が一の時は、担当アドバイザーに相談できるのも心強いはずです。
不動産会社と結ぶ媒介契約には以下の3種類があります。
売却活動が始まってからはスムーズに売却が進むよう尽力しましょう。
売却中の注意点を紹介します。
売却活動中は担当者と密にコミュニケーションを取りましょう。
購入希望者から問い合わせがあるかどうか、近隣エリアの相場状況などをこまめに確認しておくと良いでしょう。
特に一般媒介契約では後回しにされてしまう可能性が高いため、自分から積極的に連絡を取ることが大切です。
購入希望者に好印象を持ってもらうため、内覧前には部屋の掃除を丁寧に行いましょう。
なるべく物を減らし、室内をすっきりさせると部屋が明るく綺麗に見えます。
特に水回りの汚れは気になりやすいので念入りに掃除を行い、難しい場合はハウスクリーニングを依頼しても良いかもしれません。
当日の対応は笑顔を心掛け、実際に住んでいるからこそわかるメリットを伝えると良いでしょう。
リフォームした分を売却代金に上乗せして売り出すことは難しいため、部屋のリフォームは基本的には必要ありません。
どうしても気になる箇所があるなどリフォームするかどうか悩む場合は、不動産会社の担当者に相談してみましょう。
雨漏りやシロアリなど物件の欠陥は買主に隠さず正直に伝えましょう。
売主には契約不適合責任があり、物件に欠陥があるのに買主に隠して売却すると損害賠償を請求されたり、最悪契約を解除される可能性があります。
物件のマイナス面を買主に隠さず伝えることは売主の義務です。
無事買主が見つかった後も、スムーズに売却活動を終えられるよう押さえておきたいポイントがあります。
売却後の注意点を紹介します。
引き渡しは何かトラブルが起きても当日中に対応できるよう、なるべく午前中に行いましょう。
誰かが遅刻したり必要書類を忘れたりとトラブルがあった場合、時間に余裕がなければ延期になってしまう可能性があります。
手続きに時間がかかることもあるので、引き渡し当日はなるべく他の予定は入れないようにしておくと良いでしょう。
売却益がプラスの場合は確定申告を行う義務がありますが、マイナスになった場合も確定申告をすることで節税できる可能性があります。
マイナス分を他の所得から控除できる特例があるので、確定申告をすることで給与所得などに課税されるはずだった所得税を抑えることができます。
売却損の金額が所得額を上回り、1年で相殺できない場合は翌年から3年にわたって控除することが可能です。
ここからはマンション売却の失敗例を4つ紹介します。
マンションの売却を失敗しないための参考にしてみてください。
マンションの売却が不得意な不動産会社に依頼してしまうと売却が失敗してしまう可能性が高くなります。
一戸建てとマンションでは専門性が異なり、不動産会社にも得意不得意があります。
いくら評判の良い不動産会社でも、一戸建てに特化している場合はマンションの売却の仲介には向いていないでしょう。マンションの売買における実績がある不動産会社を選ぶことが大切です。
売却価格が低すぎるとローンを完済できない可能性があります。
売却代金でローンを完済するつもりなのであれば、予めローンを完済できる額を売却の最低価格として把握しておく必要があります。
周辺の相場や物件の状態によってどうしても売却代金でローンを完済できない場合は、任意売却という方法もあります。
買主がローンを利用する場合、購入を決めてからローン審査に申し込みます。
そのため売買契約を結んだ後でも買主がローン審査に落ちてしまうと契約が白紙になる可能性があります。
契約解除になると手付金は買主に返さないといけないため、ローン審査の結果を聞くまでは手付金を使ってしまわないよう気を付けましょう。
上述しましたが、物件に欠陥があるにも関わらず買主に伝えずに売却した場合、売主は契約不適合責任を負うことになります。
契約不適合責任によって買主は売主に以下の責任を追及できます。
マンションの売却を成功させるためには、紹介した注意点を押さえながら売却活動を進めていくことが大切です。
「売却前」「売却中」「売却後」とそれぞれの段階ごとに異なる注意点があるため、ご自身のタイミングに合わせて参考にしてみてください。
特に売却前の不動産会社選びは、マンションの売却を成功させられるかどうかに大きく影響します。
イエシルでは不動産のプロが中立的な立場でマンションの売却サポートを行い、信頼できる不動産会社をご紹介いたします。
マンションを売却するにあたって悩みや不安がある方は、ぜひお気軽にイエシルのアドバイザーにご相談ください。
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