【2024年8月発表:最新版】首都圏中古マンション14カ月ぶりに成約数が前年比マイナス。岸田首相の総裁選不出馬、金利への影響は?

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更新日:2024年08月26日

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この記事の要点
  • 首都圏の中古マンション、14カ月ぶりに成約件数が前年比を下回る。新規登録件数は5カ月連続減少で、前年同月比-8.6%
  • 在庫件数も前年同月比を13.5%下回る。不動産市場の活況はピークアウトか?
  • 日経平均株価が2024年8月5日に過去最大の下落幅を記録、REIT(不動産投資信託)指数も年初来安値を更新
  • さらに金利が引き上げられると住宅ローンに影響が生じ、購入希望者が見送る可能性がある
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■2024年7月度のTOPICS
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■TOPICS1 首都圏の中古マンション、14カ月ぶりに成約件数が前年比を下回る。新規登録件数は5カ月連続減少

2024年8月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、2024年7月度の首都圏中古マンションは成約件数が前年同月比で 1.3%減少しました。23 年 5 月以来 14カ月ぶりに前年同月を下回ることになります。
千葉県の成約件数は前年同月比プラスですが、東京都は-0.5%、神奈川県は-10.0%で3カ月連続前年同月と比べ減少しました。
首都圏中古マンション件数推移
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER」

首都圏の中古マンションは、新規登録件数も前年同月に比べ-8.6%下回りました。

特に東京都は新規登録件数が大幅に減少傾向にあります。

■TOPICS2 東京都の新規登録件数の前年同月比は-14.6%、在庫件数は-13.5%に。ついにピークアウト?

首都圏の中古マンションの新規登録件数が前年同月比で減少するのは5カ月連続で、東京都は-14.6%となっています。
新規登録件数が減少すると、今後の成約件数も減少する傾向がありますので売却を考えている方は注意しましょう。
在庫件数も44,509 件と前年比で 3.7%減少し、3カ月連続で前年同月を下回りました。前月と比べても-0.5%です。 2023年の首都圏の中古マンションは、成約件数が上昇しており新規登録件数と在庫件数も伸びていましたが今月でピークアウトとなる可能性があります。

■TOPICS3 8月5日の株価暴落はなぜ?REIT指数も大幅に下落していた

2024年8月5日、日経平均株価は3営業日連続下落し、前週末と比べ下落幅が4,451円28銭と過去最大を記録しました。下落率は12.4%で「ブラックマンデー」と呼ばれる1987年10月20日の下落率(14.9%)に次ぐ第2位です。
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出典:TradingView

歴史的な株価暴落の理由として、①7月31日に日本銀行が金融政策決定会合で追加の利上げを実施し植田総裁がさらなる利上げについて触れたことや②アメリカでは逆に利下げが示唆され急激な円高・ドル安が進行したことなどが挙げられます。

近年の円安は、日本とアメリカの金利の差によって進んでいたため金利差が縮まると市場は円高・ドル安に動くのです。

日経平均株価が暴落した8月5日、東京証券取引所に上場するREIT(不動産投資信託)全銘柄を対象とした指数の「東証REIT指数」も下落していました。

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出典:TradingView

2024年8月5日は3.8%の下落率で、年初来安値を更新しました。

日経平均株価と比較すると影響は少ないですが、J-REIT(日本国内のREIT)は低迷が続いており年初来の下落率は9.5%(日経平均株価は5.5%)です。

REIT(不動産投資信託)は、投資家から集めた資金で不動産を運用する仕組みのファンドで、不動産価格とも密接な関係があります。

なぜ東証REIT指数は低迷しているのでしょうか?

REIT(不動産投資信託)は、ファンドを通じて不動産に投資する金融商品です。

不動産は住宅ローンの金利が上がると、購入希望者の動きが鈍り需要が下がる傾向にあります。利上げは不動産業界にとって不利となる可能性が高いため、REIT指数も下落しました。

■TOPICS4 岸田首相が自民党総裁選への不出馬を表明。今後の利上げ、ローン金利はどうなる?

2024年8月14日、岸田首相は自民党総裁選挙に立候補しない意向を明らかにしました。首相が交代することで、日銀の政策に影響が生じ今後の利上げひいては不動産業界・不動産の価格を左右する可能性があります。
例えば候補者の1人である石破茂元防衛相は「金利を上げる必要性がある」と主張しており、河野太郎デジタル相は「日本銀行が金利を上げるべき」という主旨の発言をしています。
利上げの時期によっては、不動産購入を見送る人が増える可能性がありますので売却をお考えの方は早めに動くことをおすすめします。
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この記事を書いたのは…IESHIL(住まい/不動産投資のミカタ)事務局 アドバイザー 石井 友里恵

大手不動産会社勤務時代は、土地、マンション、戸建、投資不動産の賃貸売買の仲介を経験しました。お客様が気づかぬうちに取引で損をしてしまわないよう、これまでの経験を活かし業界の営業トークの裏側などもお伝えできます。何度も経験するわけではない不動産売買について、わかりやすい説明を心掛けています。お気軽にご相談ください。

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