全国で国土交通大臣が指定した不動産流通機構という4つの団体があります。(公財)東日本不動産流通機構、(公社)中部圏不動産流通機構、(公社)近畿圏不動産流通機構、(公社)西日本不動産流通機構で、これら4つの公益社団法人または公益財団法人によって運営されています。
これらの機構は、宅地建物取引業法に基づき、宅建業者間の売買などの物件情報を広く公開し、情報交換をすることによって、不動産取引の迅速化と適正化、成約促進を目的として設立された公益法人です。
これら4つの不動産流通機構は、国土交通大臣が指定していることから指定流通機構と呼ばれ、それぞれが担当する地域の不動産情報の交換および管理業務等を行っています。この4つの公益法人は、各々の地域の主要な不動産会社を会員に擁し、組織されています。
レインズとは、1988年の宅地建物取引業法の改正によりスタートし、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理する、コンピューター・ネットワークによる不動産流通標準情報システムです。
Real Estate Information Network Systemの頭文字をとり、略称で「レインズ(REINS)」と呼ばれています。
レインズでは、全国にホストコンピュータが設置され、全国各地から登録、検索される不動産物件情報がすべてオンラインで迅速に処理されており、不動産情報の提供(登録)、受取り(検索)等の情報交換がリアルタイムに行われています。なお、不動産流通機構が共同で運営している不動産情報データベースの略称であるレインズは、そのまま指定流通機構の通称としても用いられており、指定流通機構そのものを指して「レインズ」と呼ぶことがあります。
一般的に、個人が不動産を売却するときは不動産会社に依頼し、その際には必ず媒介契約を結びます。媒介契約には3つの種類があり、そのうち、「専任媒介契約」または「専属専任媒介契約」については、宅建業法により、契約の締結から5営業日から7営業日以内にレインズに情報登録を行うことが義務付けられています。
これまで述べてきた指定流通機構の役割についてです。
これまで見てきたように、不動産流通機構は、不動産市場の活性化と適正な不動産取引の実現を目指す組織で、レインズのシステムは、それを具現化するための不動産業者向けの物件情報のデータベースと言えます。最近は国交省の要請等に基づき、不動産流通機構でも不動産業界での悪しき商慣習を是正しようとする動きが出てきています。
IESHILコラムとは、不動産物件情報に関連してコラム等の関連情報も提供する付随サービスです。
ご利用により、IESHIL利用規約が適用されますので、規約のご確認をお願い致します。