不動産市況は一部過熱気味との指摘もされていますが、それでもタワーマンションの人気は衰えを知らない模様です。
この記事をお読みの方の中にも、「タワーマンションを買いたい」「タワーマンションが気になる」という方も少なくないのではないでしょうか?しかし、一方で現実的にタワーマンション購入を検討していると「いい話」ばかりではなく「わるい話」もあるのではないかと、心配になってきますよね。
そこで、今回は気になる「タワーマンションのメリット・デメリット」を徹底検証し、「タワーマンション購入を検討している方」がぶち当たる「気になるデメリット」に対する傾向と対策を17個ピックアップしました。この記事の情報をインプットすれば、いろいろと情報サイトを巡ったり、検索するなどの大変な思いをしないで、一気にタワーマンションに関するモヤモヤを一挙に解消して、次の住まいを探すことにシフトできることでしょう。
01「家族にアンチタワーマンションの人がいたらどうする?」
02「タワマンは経済格差ピラミッドの縮図?気になるご近所付き合い事情」
03「壁や底の防音は大丈夫か。よくある隣人クレーム対策」
04「超高層のタワーマンションの防災体制は万全か?」
05「高層階生活が子供の発育にどの様な影響をもたらすのか」
06「高齢者がタワーマンションで暮らすことは現実的に可能か」
07「億ションなのにスマホで通話ができない?意外と脆弱な携帯電波の事情」
08「思っていた景色と全然違う?高層階なのに眺望が良くない傾向」
09「地階ロビーに辿りつけない。想像を絶する?エレベーター混雑」
10「巨大建築物特有の悩み。強烈なビル強風、風きり音」
11「禁止行為?干せない洗濯物と落下物の危険性」
12「太陽に近い分、強烈な日光と紫外線対策が必要」
13「火災が超高層のタワーマンションで起きたらどうなるのか」
14「同じような方角・間取りの物件でも分譲価格か違ってくる事情」
15「タワーマンションの税金事情。一戸建てより固定資産税が高くなるカラクリ」
16「時限爆弾?タワーマンションの管理費、修繕積立金トラップ」
17「50年後に取り壊し。「定期借地権付き」のタワーマンションの仕組みとは?」
マンションという大きな買い物であるがゆえに、購入する際に家族の家に対する価値観が衝突してしまうケースが少なくありません。「家族・夫婦の価値観・意見がまとまらない問題」とでもいいましょうか。
たとえば、そもそも論レベルで、ご夫婦で意見が一致していないケースなどが挙げられます。「妻はタワーマンション、夫は一戸建て」「妻は築浅、夫は中古」など、真っ向から考えが合っていないということも多い傾向にあります。
タワーマンションの営業担当者いわく、希望する物件要件をヒアリングするときに、夫婦の話がまとまらず、それどころか目の前で喧嘩にまで発展してしまうケースも結構あるそうです。「マンションを買う」という点だけは夫婦で一致していても、細目の意見をすりあわせずに現地見学を繰り返してしまうと、時間だけが非常にかかってしまい疲れ果ててしまう事態となってしまいません。ちなみに、営業担当者の経験則的には、仮に夫が反対していても「妻が買いたい物件」が、最終的には契約に至るケースが多いようです。
その理由としては、いろいろと考えられますが、やはり日々の生活の運営や子供の教育やご近所関係などは、奥さんが精通しており、最終的に、夫が譲歩する形で落ち着くようです。
いずれにせよ、実際にマンション購入に動き出すに先立って、家族・夫婦で「新しい家には何を軸にするのか?」を十分に話し合い、具体的に一致させてから、実際の物件見学に移行することが、スムーズなマンション購入につながるといえるでしょう。
(まとめ)→「実際に物件探しの前に、先立って家族会議を」「最終的には互譲もしくはいずれかの譲歩が必要」
超高層のタワーマンションは、大きく低層・中層・高層と区分することが出来ます。当然、高層になる従って物件価格も高くなっていく傾向ですので、ある意味、経済格差が「階数」という目に見える形になってしまい、それが、住民間の人間関係にも影響を及ぼしてしまうことも多いようです。
一般的に、高層階の住人は、経済的な余裕がある層が多く、
一方、低層階に住む層は、
①SOHO等の執務スペースがメインでの居住者
②賃貸・セカンドハウスとしての利用がメインの居住者
③比較的安価であることを要因として低層階を購入した居住者 という分布となるケースが多いです。
ここで難しいのが、③に該当する居住者と高層階の居住者の関係性です。例えば、子供向けの共用スペースは、高層階の住人も低層階の住人が必然的に混ざることになります。そこでのグループに気疲れしてしまうという話は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
「上層階と下層階で別々のグループが形成される」「同じ階数でも、販売価格が大きく異るケースも有り、その場合は収入や世代にも大きな隔たりを感じる」「何階の何号室=経済レベルという感じで見られているような気がする」といった感じで、“差”を感じることもあるようです。
しかし、一方で「そこまで気にしたことはない」「階数以前に同じ建物に住んでる帰属意識のほうが大きい」「意外と似た世代や経済状態の人が多くて過ごしやすい」という声も多いようです。つまり、意識の持ち方次第で日々の感じ方は大きく変わるといえます。むしろ、格差ばかり意識するのなら、タワーマンションに住んでいなくても“差”を感じて暮らすことになるのではないでしょうか。
そう考えると、「マンション内のイベントや組合集会には積極的参加」したり、「普段から騒音などを周囲に迷惑をかけないように暮らす」「エレベーターや廊下では積極的に挨拶をする」、「うわさ話や悪口には乗らない」など、極めて人として普通のことを意識して暮らせば、トラブルに巻き込まれることは少ないといえるでしょう。
タワーマンションに限定されることではありませんが、集合住宅の隣人クレームにおいて最も多いのが「騒音」問題でしょう。例えば、下のフロアの居住者から、騒音についての苦情を受けてしまい、どうしたらいいのか困ってしまうケースも多いようです。
上下左右に人が住んでいるため、例えばお子さんがいる場合、走ったりすると響いてしまうのが気になってしまい、どうしても騒音トラブルが起こりやすくなります。しかも、分譲マンションだと、隣人トラブルがあるからといってスグに引っ越しをするというのも現実的ではありません。従って、現実的な対策方法をあらかじめ施しておくことが重要であるといえます。又、クレームが来た場合、騒音の発生原因を特定するためにも、先立って自分でできることは手を打っておくべきでしょう。
自室の騒音の対策としては、まずは飛び跳ねたり走らないことが前提とはなりますが、その他にもラグを敷いたり、家具の下に消音シートを付けましょう。特に、子供部屋には防音効果のあるコルクマットと厚めのクッションシートを重ねて敷いたうえで、遊ばせる時間帯を気をつけるなどの工夫をするとよいでしょう。
(まとめ)→「タワーマンションでも、常識的な集合住宅での配慮をすれば大丈夫」
戸建てならともかく、超高層のタワーマンションにおいては災害時の対応を具体的にイメージするのは難しいでしょう。セオリーとしては、防災アナウンスが流れた時には、可能な限り下のフロアへ非常階段で逃げることが考えられますが、例えば、火災が自分より下のフロアにて発生した場合には、上に逃げなければいけません。しかし、いわゆる煙突効果で煙は上に上がってきますので、すみやかに空気の綺麗なフロアに移動して、玄関ドアや防火扉を閉め救助を待つなどの臨機応変な対応が求められます。
それでは、超高層のタワーマンションにて、万一火災が発生・そこに遭遇した場合どういうことになるのでしょうか?火災時の対応については、基本的に一般的な建物火災と避難方法に変わりはありませんが、高密集のタワーマンションのため、大量の居住者が一斉に避難することが予想されます。そのため、全員避難完了するまでに要する時間は少なくとも1時間はかかることが予想されます。ただし、火災発生時の避難対応については、防災センターが一元的に対応し、火災発生時は、全館一斉に非常ベルが同時に鳴るのではなく、原則として、出火階とその真上・直下階で非常ベルに鳴らされます。ですので、非常ベルが聞こえるイコール自分の身近で火災が起きていること意味しますので、まずは自分の判断で最寄りの避難口に移動、その後は防災センターのスタッフの指示に従って避難という形になります。
いずれにせよ、非常用放送にて火災発生場所、状況が放送されますので落ち着いて指示に従うことが求められます。もちろん、防災センターが火災を感知する前に、自分が火災などの兆候を察知した場合は、指示や放送がされる前に速やかに階段にて避難しましょう。又、避難時はエレベーターではなく、避難階段を使いましょう。大半の高層建物は「特別避難階段」で、煙が簡単には入らない設計となっています。
(まとめ)→「非常別は全館一斉に鳴るわけではない」「まずは最寄りの避難口に移動。防災センターのスタッフの指示に従って避難」
ファミリーでタワーマンションに住むことを検討されている方も多いと思いますが、お子さんがいる家庭では、「タワーマンションの子供の成育」への影響を気にされる方も少なくありません。高層階で成長すると「高所平気症」と「室内遊びに偏る」点が懸念される様です。
駅直結や館内にスーパー、病院があることも多いタワーマンションは、高齢の方にとっても便利で住みやすいといえるでしょう。しかし、一方でタワーマンション特有の高齢者にとって住みにくい要素はないのでしょうか?一般的に、よくいわれるのは非常時の生活が困難であることが指摘されています。
例えば、震災の時にエレベーターが停止した場合、数十階を階段で移動しなければならず、これは高齢者には現実的に困難であるといえるでしょう。加えて、平時においても、地階から自室までの物理的な距離が意外と長くて、買い物に出かける階数が減ったり、引きこもりがちになるとの話も少なからずあるそうです。
ただこれらは、普段の心がけや実践でカバーできるといえますし、防犯性、室内の断熱性、戸建てよりも日当たりや眺望がいいことなど。高齢者にとってもタワーマンションの方が快適である点は揺るがないといえるでしょう。
(まとめ)→「非常時は戸建て以上に大変な場合があるが、平時は高齢者にとってタワーマンションは生活しやすい」
タワーマンションに住んでみて、意外と携帯電話の電波が弱いことで困る方は多いそうです。ちなみに、スマートフォンや携帯電話で使われている電波アンテナは、鉄塔や街のビルの屋上などに設置されていて、たいていは地上40メートルあたりに設置されているそうです。地上40メートルというのは、建物の階数にして13階ぐらいで、地上付近のユーザーが快適に使用できるようにすることを念頭にアンテナは下向きに設置されています。従って、この13階から上のエリアにおける電波は必然的に弱くなってしまい、ましては超高層のタワーマンションではかなり電波が弱まってしまうことになる訳です。
では、タワーマンションの高層階で、電波が弱い場合はどうしたらよいのでしょうか。方法としては、大きく3つあります。
一つ目が「携帯キャリアへの電波改善申し入れ」です。
携帯キャリアは各社熾烈な競争をしており、電波のつながりやすさは消費者の契約判断に大きく直結することから、各社電波に関する苦情窓口を設置しています。また特定のエリアにおいて集中的に電波苦情が多い場合は、優先してアンテナ強化などの対応をしてもらえることも多いそうです。他にも、各家庭用の『ホームアンテナ』の設置を依頼する方法もあります。一定レベルより電波が悪いということが認められれば、アンテナの設置が行われますが、電波の規制があるため少々面倒な手続きは必要となります。具体的には、①電波改善の申請 ②調査員による現地調査 ③総務省へのアンテナ設置許可申請 ④申請許可 ⑤アンテナの到着・設置 といった流れとなります。
二つ目の対応方法として、「Wi-Fi」の活用が挙げられます。
タワーマンションでは、基本的に各家庭に光回線が敷かれているので、こちらのインターネット回線を無線LANでスマートフォンや携帯電話で繋いで、通話やデータ通信をしましょう。電波が問題となるのは3Gや4G(LTE)回線なので、本質的な解決ではありませんが、LINEやiPhoneのFaceTimeを使えば、電話回線以上にクリアな通話も可能となっています。
三つ目の対応方法としては、究極的かつ物理的な方法となってしまいますが、「バルコニーで電話する」という手です。
気密性の高いタワーマンションの室内では、ただでさえ微弱となっている電波がより弱まってしまい、通常の通話が困難となってしまうのです。なので、ダメもとでバルコニーに出てみて電波を確認してしみましょう。意外と電波状態が良くなるかもしれません。
(まとめ)→「高層階は電波が弱くなりがち」「電波が弱い時は、①携帯キャリアへの電波改善申し入れ、②「Wi-Fi」の活用、③バルコニーに出る」
タワーマンションのメリットとして誰もが思いつくのが、その眺望の良さですが、注意が必要なのが、「高層になればなるほど眺望も良くなる」訳ではないということです。
確かに一般的にバルコニーに出て眺める景色については、「高層になればなるほど眺望も良くなる」といえるでしょう。しかし、例えば室内でソファーに座ってくつろいでいる時に眺める外の眺望は、高層になればなるほど「ただの空」となってしまうケースが多いそうです。又、夜間も空しか見えないとなると、夜景が全然見えないということも考えられます。
建物が建つ前に購入することが多いタワーマンションにおいて、リビングルームからの眺望は実際に入居してみないとわからない部分も多いのです。そのため、実際に住んでみて、景色がイメージと違って少なからずガッカリしてしまう方も少なくないのではないでしょうか。そうならないために、あえて超高層階を狙わずに中層階も購入の選択肢に入れて、眺望のシミュレーションをオススメします。加えて、周囲の建造物や環境のリサーチも疎かにしないようにしましょう。特に近隣に同様のタワーマンションが既に立っている場合、そちらの見学等を通じて事前にイメージを掴んでおくのもよいでしょう。
(まとめ)→「高層になればなるほど眺望も良くなる訳ではない。構造を理解した上での物件選びをすること」
オフィスビルなどでも経験済みの方が多いかもしれませんが、タワーマンションにおいても、エレベーターの混雑・行列問題は気になるところです。中古物件であれば、混みあう時間帯に実際に見に行くという手もありますが、新規分譲だと住んでみないとわからない部分もあります。チェックポイントとしては、低中高の各層向けに別にエレベーターを分ける「群管理」がどうなるのかの確認はマストといえるでしょう。
たとえば、33階建てで、1~10階、11~21階、22~33階に分かれているマンションの場合、21階と22階では、それぞれの部屋の分譲価格は1階分の差しかつかないのが普通です。しかしこの1階分の差は、実際に暮らすにあたってとても大きな差となります。それはつまり、21階に住むと、使用するエレベーターは途中11~20階までいくつもフロアがあるため、エレベーターもそれに従って何度も停止・乗り降りを繰り返すこととなります。とりわけ通勤時間は人の移動が集中するため、最悪の場合、20~11階を各駅停車停止することもあり得ます。一方、22階に部屋であれば、途中で停車するフロアがないため、ノンストップで1階まで乗れることとなります。
タワーマンションでは、強風が想像以上にあるということも注意が必要です。特に、部屋のベランダへの開口部などを開けた際の風がとても強く、窓が開けられない場合もあるそうです。
高層マンションや高層ビルが多く立っているエリアでは、強烈なビル風も吹き、毎日風きり音に悩まされる事もありえます。当然のことながら、多くの場合で、安全上の観点から洗濯物を外に干すのはNG。バルコニーのない場所の窓などについては、自分で掃除することはできず、専門業者が数カ月に1回程度清掃する運用になっていることが多いです。
又、開口部の強風もさることながら、タワーマンションの建物そのものが風で揺れてしまったり、強風にさらされるうちに建物の外壁や窓が傷んでしまうことはあるのでしょうか。まず強風によってタワーマンションが揺れるということは基本的にないようです。多くの場合、タワーマンションは鉄筋コンクリートで建設されているので、重量が重たいことから風で揺れるということは起きない様です。
他方、強風による外壁や窓へのダメージについては、経年劣化に伴って、「風切音」が発生してくるということは事例として起きうるようです。従って、中古のタワーマンションを購入する際は、注意をする必要があるといえるでしょう。
(まとめ)→「強風問題については、建物の構造上根本解決はできない」「鉄筋コンクリートで造られたタワーマンションは風で揺れるということは基本的にない」
タワーマンション住むにあたって、「洗濯物はどう干すのか?」が気になる方も多いようです。実際のところは、ドラム式洗濯機などが備え付けで付いており、洗濯から乾燥までボタン一つで完結していることが多いようです。
詳しくは、各マンションの規約によって違ってくるところですが、一律で洗濯物を干すことが禁止されているとは限らず、住む階層によっては、物干しがベランダに付いていることもあります。ただいずれにせよ高層階においては、強風が吹いていることもあり、干しているものが飛ばないようにするのに十分注意が必要です。万一でも濡れた洗濯物を落下させてしまい人に衝突などすると大惨事になりかねません。ベランダの手すりより低い位置にて干す場合でも同様に細心の注意が必要です。
又、規約上洗濯物を外に出すことが禁じられている場合は、引き換えに、お風呂に浴室乾燥機が備え付けとなっているケースも多いようです。丸洗いできるカーテンや毛布を乾燥させたい場合は、クリーニング店に依頼するか、コインランドリーで自分で行いましょう。あと布団を干したい場合も、外には出さず窓際に並べておくか業者に依頼するなどして対応せざるを得ないようです。
タワーマンションからタワーマンションに引っ越しをされる方の中には、あえて南向きを避けて北向きに部屋にされる方が少なからずいます。実は、眺望的に遮るものがなにもない上層階の南向き住戸は、想像を絶するレベルで日当たりが良すぎて室内が高温化、エアコンもフル稼働させないと「暑すぎて困る」ということも多いようです。実際のところ、購入したタワーマンションを売却する理由として、「南向きが暑すぎたから」を挙げる人も多いのです。
室温に加えて、タワーマンション最大の魅力である眺望という部分でも南向きであることがデメリットとなってしまうケースもあります。それはつまり、南向きは日当たりが良すぎて、部屋から外を眺めた時に太陽光が逆光となってしまい、景色が黒っぽく見えてしまうのです。ですので、逆に北向きの住戸は、太陽光を背後から受ける構図にあるため、部屋から外の眺望が綺麗に見えることになります。南向きに海岸などのランドマーク的な風景がある場合を除けば、何が何でも南向き住戸が良いわけではないといえるのです。
又、高層タワーマンションに住むということは、窓のカーテンを閉めなくても基本的に外から誰かに覗かれるということはありません。しかし、だからといってカーテンが不要というわけにもいきません。というのも、太陽光による紫外線や熱気そして屋外からの冷気を考慮する必要はあります。季節ごとの部屋の暑さや寒さについては、住戸の方角や建物の構造によって、どうにもできない部分もありますが、カーテンの材質や厚みによって、紫外線や冷気遮断は十分に行えます。
(まとめ)→「紫外線や熱気そして屋外からの冷気を考慮したカーテン選びはマスト」
タワーマンションは高層建造物であるため、もし、はしご車からの放水が届かない高層階で火災が発生した場合、どういう方法で消火されるのでしょうか。
まず高層階での消火方法の一つとして、「消防隊員が直接燃えているビルに突入する」というものが挙げられます。高さが31mを超えるビルには、消防隊員が直接現場に急行して、迅速に消火・救助活動を行えるようにするための非常用エレベーター設置が義務付けられています。ちなみに、そのエレベーターの昇降路・機械室は、耐火構造の壁、床、天井で構築されており、機械室の出入口においては、通常の火災なら1時間は火炎を閉じ込めることができる「特定防火設備」を設置しています。又、非常用エレベーター内は、消火活動に必要となる各種機材を運搬するための内法・出入口幅の寸法が規定されており、更にエレベーターのドアを開けたままの状態で消火作業ができるようになっており、停電時でも予備電源によって電力が供給される仕組みになっています。
消火作業に要する水については、非常用エレベーターの乗降ロビーの付室に、屋内消火栓、連結送水管の放水口を設置することが決められており、更に大規模なタワーマンションの場合、もしもの火災の備えて、地下に100トン以上の水を貯めることができる消防用水を備えている物件も少なくありません。
以上の通り、火災対策が取られているタワーマンションですが、他にも様々な対策によって、火災発生や延焼を防ぐ取り組みがなされています。
例えば、消防法や建築基準法により31mを超える高層ビルにおいては、スプリンクラー設置、不燃物での内装施工、防炎機能のあるカーテンやじゅうたんの仕様が義務付けられています。加えて、タワーマンションは一般的な建物と比較して、防火区画がより細かく設定されています。そのため、火災が発生しても、区画の中で火災を封じ込めることも可能となっています。又、火災に付随して発生する煙については、共用廊下と特別避難階段の間に強制排煙システムが備え付けられた附室が設置されているので、基本的に充満することが起きないようになっています。ですので、避難時も慌てずに階段から避難することができるようになっています。
(まとめ)→「タワーマンションは多重での防火システムが整備されているので、安全性は高い」
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