マンションの買い替えで、旧居の売却を先に行う場合は仮住まいが必要です。新居の買い替えを先にすると仮住まいは不要ですが、二重ローンなど金銭的な負担が大きくなる傾向があります。仮住まいなしでマンションを買い替える方法や、メリット・デメリット・体験談を解説していきます。
更新日:2023年11月02日
田中あさみ
プレミアムライターFPライター。大学在学中に2級FP資格を取得、医療系の仕事に携わった後ライターに。CFP(R)相続・事業承継科目合格。全科目合格に向けて勉強中。 金融・フィンテック・不動産・相続などの記事を多数執筆。
マンションの買い替えを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
仮住まいが不要なマンション買い替えの4つの方法をお伝えしていきます。
マンションの買い替えで新居の購入を先にする「買い先行」にすることで、仮住まいに引っ越す手間やコストを削減できます。
ただし買い先行は旧居の売却を先にするパターンよりも売却にかけられる時間が短い傾向があり、買主や不動産会社に買いたたかれると売却価格が低くなってしまいます。二重ローンになってしまう恐れや、想定より売却価格が低くなってしまうというデメリットもありますので慎重に検討しましょう。
現在住んでいるマンションと新居の決済・引渡し日を同日にすることで、仮住まいが不要になります。
タイミングを合わせ、同時決済にするためには旧居の売却で以下2つの条件や特約を付けるという方法があります。
マンションの状況や不動産会社によっては、条件や特約が付けられないこともありますのであらかじめ確認しておきましょう。
不動産会社と媒介契約を交わす前に、専門家に相談するという方法もあります。
新居の売主と交渉し、引き渡し期間を延ばしてもらい旧居と新居の決済・引き渡しのタイミングと合わせる方法です。
ただし、新居の売主が必ずしも交渉に応じてくれるとは限りません。
旧居・新居と実家が近く家族が承諾してくれる場合は、売り先行で引き渡しの後は実家に住むという方法もあります。
引っ越し代はかかりますが、実家は家賃がおさえられる点がメリットです。
ただし実家と距離がある、実家にこれ以上人が住めない、家族が反対しているなど困難なケースもあるでしょう。
仮住まいを探す場合には、通常の賃貸住宅かウィークリーマンション・マンスリーマンションを選ぶことが多いでしょう。
通常の賃貸住宅を借りると、多くの物件で敷金・礼金・仲介手数料が必要です。
ウィークリーマンションやマンスリーマンションでこれらの費用を支払うケースは少ないですが、選択肢も狭まるため広さや住まいからの距離によっては仮住まいにできないケースもあります。
仮住まいの期間や家賃などによってかかる費用は前後しますが、一般的な賃貸住宅の場合、家賃の6ヶ月分相当が初期費用で必要となるとされています。また、ウィークリーマンションなどの場合は敷金・礼金はありませんが、家賃が割高であったり、お持ちの家具家電が設置できないため別で貸倉庫の利用を検討したりする必要がある場合があります。
後述の【マンションの買い替えで仮住まいありのAさん体験談】に具体的な費用のお話もありますので、参考にしてみてください。
東京都では2003年からマンション建て替えによって仮住まいが必要な方に対して都営住宅の提供など「仮住まいの支援事業」を実施しています。
2010年からは、東京都、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)、東京都住宅供給公社(JKK東京)が供給または関連する公的住宅の空室情報の提供などの支援をスタートしました。
都営住宅・都民住宅・UR都市機構賃貸住宅などの情報を提供中です。
公営住宅は家賃が安いというメリットがありますが、人気があり入居まで時間がかかることや、入居できない事例もあります。
イエシルでも賃貸住宅の情報を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
イエシルTOPページからマンション名で検索>「販売・賃貸」タブからご確認いただけます。
仮住まいでよくある疑問として「どのように物件を選べば良いのか」という声があります。
仮住まいは、旧居・新居・職場からの距離、家族の通学・通勤、家賃や部屋の広さなどを考え総合的に判断しましょう。
ウイークリーマンション・マンスリーマンションはワンルーム・1DKの部屋が多く、家族が多いと仮住まいにできない事例もあります。
マンションの買い替えで仮住まいが必要になるのは「売り先行」のケースです。「売り先行」とは現在住んでいる住宅を売却してから新居を購入する方法です。
一般的な、売り先行の流れを見てみましょう。
出典:筆者作成 ※引っ越し・売買契約締結の時期が前後するケースもあります。
上の図のようなマンション売却が決まってから仮住まいに引っ越すパターンではなく、マンションを売却する前に仮住まいに引っ越す事例も存在します。
売却前に仮住まいに引っ越すことで、部屋は空き室となり内覧スケジュールの調整は不要です。現在住んでいる部屋を内覧されるという事態も回避できます。ただし、売却後に引っ越すパターンより早めに仮住まいに住むためコストがかさむ可能性があります。
売り先行とは逆に、新居の購入を先に行う「買い先行」では仮住まいが不要で引っ越しは1回です。
仮住まいが必要な「売り先行」と仮住まいが不要な「買い先行」には、それぞれメリット・デメリットがあります。
売り先行 |
買い先行 |
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メリット |
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デメリット |
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一般的に売り先行は、売却価格が分かっているため予算をオーバーする可能性が低く、買い先行よりも金銭的な負担が少ない傾向にあります。
ただし「コストがかさんでも納得のいく新居に住みたい」という方は、買い先行を検討してみましょう。
30代の会社員で地方都市に住むAさん(男性)は一人暮らし用の分譲マンションに住んでいましたが、結婚を機にファミリータイプのマンションを購入し買い替えることになりました。
今後は結婚式や新婚旅行などを控えていることから、売却価格を把握してから新居を探す「売り先行」です。通勤を考慮し妻と相談した結果、旧居に最も近い賃貸アパートを仮住まいにしました。
賃貸アパートで仮住まいと妻との新婚生活を始めますが、築40年超の1DKで雨漏りがあり部屋・お風呂が狭く住み心地が悪かったそうです。
一人暮らしのマンションは駅から近かったためすぐ買い手が見つかり、新居を探し始めます。新居探しで希望条件に合う物件を見つけましたが、Aさんは金銭的に旧居のローンを一括返済することが困難です。
旧居の住宅ローンと新居の住宅ローンをまとめる「住み替えローン」を申し込みましたが、住み替えローンは通常の住宅ローンと比べ審査が厳しく審査に落ちてしまいました。
社会的信用があるといわれる弁護士の妻が代わりにローンを申し込み、審査に通り無事Aさん夫婦は買い替えをすることができました。
仮住まいは住み心地が悪かったものの、築40年のアパートで家賃が安く5カ月で30万円、敷金・礼金・清掃費用が合計10万円程度、引っ越し代(2回)は50万円程度、合計90万円程度でした。
都内に住む50代のBさん(男性)は、妻と性格の不一致で離婚することになりました。
離婚をきっかけにファミリータイプのマンションから、一人暮らしのマンションに買い替えます。
旧居はローンを完済しており、2人で話し合い元妻に譲ることが決まりました。
都内は家賃が高く、仮住まいのコストを試算すると100万円を超えてしまうため新しいマンションが決まるまでは同居生活を続け、同時に新居探しのスタートです。
新しいマンションが見つかり、住宅ローンの審査も通りBさんは仮住まいをすることなく買い替えることができました。
仮住まいをしなくて済んだものの「離婚が決まってからの同居生活は気まずかった」そうです。
マンションの買い替えでは「売り先行」の場合、仮住まいが必要になります。
マンションの買い替えについてお悩みの方は、不動産会社へ行く前にまずは専門家への相談がおすすめです。イエシルでは専任アドバイザーに無料相談ができます。不動産売買の仲介経験が10年以上のアドバイザーが確実な売却価格の算出をし、仮住まいを避けるための方法や、自分に合った不動産会社の見つけ方などもお伝えします。
イエシルアドバイザーが、買い替えにかかる疑問の解消や、今のお住まいをより高く売るコツをお伝えします。まずは妥当な売却価格の算出をしますので、こちらからお問い合わせください。
仮住まいを探す際にはイエシルで賃貸住宅の情報も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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